Appleギフトカード詐欺とは?被害を防ぐための対策と注意点
【目次】
はじめに:便利さの裏に潜む“罠”
Appleギフトカードは現在、App StoreやiTunes、Apple Musicなど、Apple製品を使う人にとって身近で便利なカードです。プレゼントにも自分のチャージにも使える、いわば「デジタル時代のお小遣い」としても機能を果たしています。
ところがこの“便利さ”を逆手に取る詐欺がここ数年で急増しています。
買取サイトやSNSを悪用したもの、Appleサポートを装った偽メール、さらには「友達や上司を名乗る」メッセージまで手口は様々です。
この記事では実際の被害事例、最新の詐欺手口、そして被害を防ぐための実践的な対策を解説します。
なぜAppleギフトカード詐欺が増えているのか?
デジタルだからこそ“現金に近い”
Appleギフトカードの最大の特徴は「番号だけで使えること」。この利便性こそが詐欺師にとっては“最高の獲物”です。
たとえば、あなたがカードを買ってその16桁のコード番号を誰かに送ってしまったとします。その瞬間、相手は自分のAppleアカウントにコードを登録してすぐに使うことができます。現金と違って「手渡し」も不要ですし、匿名のまま資金を動かすことができてしまいます。
つまり詐欺師にとってAppleギフトカードは「デジタル現金」なのです。
SNS・メールで誰でも狙われる時代に
最近では被害者が「特別な人」ではありません。
X(旧Twitter)やInstagram、LINE、メールなどで一般の人が簡単にターゲットにされています。2024年以降「SNS経由でAppleギフトカードを購入させられる詐欺」が急増しているといわれ、特に「なりすまし」や「高額買取のDM」が増えています。
「高額」「すぐ買って」「今だけ」は危険サイン
詐欺メッセージの特徴はとにかく“焦らせる”こと。
「今すぐカードを買わないとアカウントが停止されます」
「このキャンペーンは今日だけ!98%買取保証!」
冷静に見ればおかしいのですが、焦りと不安を与えることで判断力を奪うのが彼らの手口です。
巧妙化する5つの詐欺手口
手口①:Appleサポートを装う「架空請求型」
Appleを名乗る偽メールやSMSで「未払いがあります」「セキュリティ確認が必要」と伝えてくる詐欺です。リンク先はAppleそっくりの偽サイト。ログイン情報やカード番号を入力させてその情報を抜き取ります。
Apple公式は明確に言っています。
「Appleは支払いをAppleギフトカードで求めることはありません。」
この一文を覚えておくだけで多くの詐欺を防げます。
手口②:SNSの「高額買取」詐欺
「Appleギフトカードを98%の高額で買い取ります!」
そんな投稿、見かけたことはありませんか?
実際にはコードを送った瞬間にブロックされるケースが大半です。あまりにも高い買取率をうたうサイトは危険です。正規の買取サイトで換金率はだいたい70〜90%が相場。特別なキャンペーンなどを利用しても95%ですら稀な高買取率です。
これを超える数字を出している業者はまず疑うことが大事です。
手口③:友人・家族を装う「なりすまし型」
LINEやメールで「今助けて!ギフトカード買って送って」と頼まれるケースです。送信者が本物のアカウントに見えるため、多くの人がだまされます。
対策はシンプルです。電話や別の連絡手段で本人に直接確認すること。1分の確認が、何万円もの被害を防ぎます。
手口④:「投資・副業」に見せかけた詐欺
「Appleギフトカードで投資」「現金化して倍に」など、一見うまい話に見えるのも詐欺です。
実際、2025年現在でも「Appleカード投資」「AI換金」などの言葉で被害報告があります。詐欺師はAppleギフトカードを使って資金を別口座に逃がす仕組みを持っています。
● 手口⑤:架空の「返金・支援金」を装う詐欺
最近の新手口では「返金があります」「サポートします」と言ってカードを買わせて番号を送らせるタイプも増えています。
サポートや補助金をうたっているのに「ギフトカードで払って」と言われたら100%詐欺だと思って間違いありません。

被害を防ぐ5つのチェックポイント
支払いの内容をよく確認
Appleギフトカードは、Appleのサービスで使うためのものです。
税金・家賃・公共料金などの支払いに使うことはありません。
「高額」「すぐ」「今だけ」に注意
詐欺師は焦らせて判断を鈍らせます。
少しでも不自然に感じたらすぐ手を引きましょう。
知らない相手・不明な連絡先とはやりとりしない
電話番号が非通知、メールがフリーメールなら要注意です。
Appleや警察、公共機関は公式ドメインで連絡します。
買取サイトは運営情報を確認
古物商許可番号、住所、責任者名が明記されていない業者は危険です。実在するかを確認するだけでも被害を減らせます。
定期的に「公式情報」をチェック
Apple公式サポート(support.apple.com)では詐欺に関する警告ページを常に更新中です。2025年6月の更新では「SNSでの偽買取サイトに注意」と追加されました。公式からの情報をチェックすることも大切な対策のひとつです。
もし被害に遭ってしまったら
まずやるべきこと
- カード番号を相手に渡していない場合:使用せずに保留。
- 渡してしまった場合:すぐAppleサポートに連絡。
- お金を払った場合:警察・消費生活センターに通報。
相談窓口
- Appleサポート(日本):
https://support.apple.com/ja-jp/120933 - 消費者ホットライン:188(いやや!)
- 警察相談専用ダイヤル:#9110
証拠を残すことが大事
- メールやLINEの履歴
- 購入時のレシート
- 相手の口座情報・サイトURL
これらはすべて後の捜査や返金交渉に役立ちます。
安全にAppleギフトカードを使うために
正しい使い方
- Apple StoreやApp Store、iTunes Storeで使う
- コードを入力して自分のアカウントにチャージする
- 残高はこまめに確認する
法律・規約にも注意
- 資金決済法では、未使用残高のあるギフトカードには「資金移動業」の規制があります。
- 古物営業法では、電子ギフト券を扱う業者は公安委員会の許可が必要です。
- Apple利用規約にも「カードの換金・転売は禁止」と明記されています。
つまり「公式外での買取」はグレーゾーン。利用する際は“リスクを理解したうえで”慎重に業者を選びましょう。
最新動向と今後の対策
2025年に入ってもAppleギフトカード詐欺の被害は減っていません。特にSNSを使った「投資型詐欺」「恋愛詐欺(ロマンススキャン)」が増加傾向です。
警察庁の発表によると、2024年度の電子マネー型詐欺の被害額は約35億円。そのうちAppleギフトカード関連が約4割を占めています。
Appleも対策を強化しており、2025年夏からは「ギフトカード残高の安全確認機能」を順次導入予定です。
よくある質問(FAQ)

Appleギフトカードのコードを送ってしまいました。どうすればいいですか?
もしコードを相手に送ってしまった場合すぐにAppleサポートに連絡してください。まだカードが使用されていない場合は利用停止や残高保護の対応をしてもらえることがあります。
あわせて警察(#9110)や消費者ホットライン(188)にも相談しましょう。詐欺メールやLINEのスクリーンショット、購入レシートなどの証拠を残しておくことも重要です。
「高額買取」と書いてあるサイトは全部詐欺ですか?
必ずしも全てが詐欺ではありませんが「95%以上の高額買取」をうたうサイトは特に危険です。正規の買取サイトでも通常の買取率は70〜90%前後が相場です。
サイトを見分けるときは以下についてよく確認してみましょう。
- 古物商許可番号が明記されているか
- 会社の住所や運営者情報が記載されているか
- 口コミやレビューが実在するか
怪しいと感じたら別の業者を検討するなどしてください。
「Appleサポート」を名乗るメールが来ました。本物かどうか見分ける方法はありますか?
あります。Apple公式の連絡は必ず「@apple.com」または「@itunes.com」ドメインから届きます。
また以下の特徴があれば、ほぼ偽メールです。
- メール内で「Appleギフトカードで支払え」と書いてある
- 不自然な日本語(機械翻訳っぽい文)
- リンクが「apple.com」ではなく別ドメインになっている
上記に当てはまらなくても、少しでも迷ったらメール内のリンクは開かずApple公式サイトから直接ログインして確認しましょう。
SNSで「Appleギフトカードで投資」って見ました。本当に稼げますか?
それは詐欺です。Appleギフトカードは投資や資産運用には一切使えません。
Appleの公式利用規約にも、「カードの転売・換金・再販売は禁止」と明記されています。
SNS上では「AI投資」「暗号資産」「副業」などの名目でギフトカードを送らせる手口が流行中です。「ギフトカードを送って利益が出る」話は100%詐欺と考えましょう。
安全にAppleギフトカードを使うために、どんなことを心がければいいですか?
安全に使うための3つのポイントは次のとおりです。
1️⃣ 正規販売店で買う(Apple公式・コンビニ・家電量販店など)
2️⃣ コードを他人に見せない・送らない
3️⃣ 定期的にApple公式の注意喚起をチェックする
また買取や譲渡を考える場合は信頼できる業者を慎重に選ぶこと。「高額」「すぐ」「今だけ」などの言葉には特に注意してください。
まとめ:便利さの裏に、注意という防御を
Appleギフトカードは、正しく使えばとても便利で楽しいアイテムです。でもほんの少しの油断が大きな損失につながることもあります。
最後に覚えておきたいのは3つ。
1️⃣ 焦らない。
2️⃣ うますぎる話を信じない。
3️⃣ 公式情報を確認する。
あなたのお金も、気持ちも、しっかり守れるように。「知っている」だけで防げる詐欺が、たくさんあります。今日読んだこの内容が、誰かの「だまされない力」になるよう願っています。

